家族信託は、銀行、司法書士、弁護士、どこに依頼するべき?

家族信託を相談する司法書士の選び方

司法書士であればどこでも大丈夫なわけではなく、家族信託に精通する司法書士を選定する必要があります。
最終的には料金や面談時の印象で決めることになるかと思いますが、面談に至るまでの選定方法について、解説致します。選定のポイントとして挙げられるのは、次の3つです。

コンサルティング能力の有無

また、家族信託は、財産の管理や運用と財産承継の取り決めを行う仕組みですから、財産の活用や相続税を含めた財産承継についても検討が必要で、具体的には、次の4つの要素を統合、最適化した全体スキームの設計が重要となります。
本人と配偶者の生活保障(ライフプランニング)
円滑、円満な財産承継
財産活用(ご高齢の方の場合は主に不動産)
相続税対策
こうした能力を有しているか否かが、より良い司法書士の選択の基準と考えます。
こうした能力を有している司法書士であれば、WEBサイト上に記載があるはずですので、WEBサイトを確認してみましょう。

事後支援

家族信託は、これを利用する当事者にとっては、作って終わりではなく、作ってからがスタートとなります。
受託者には、信託法上様々な義務が課されており、受託者は、信託法及び信託契約に従って財産管理をしていくこととなります。
受託者の日常業務としては、受益者への金銭給付等の他に会計業務があり、具体的には、記帳や会計資料作成、必要に応じて税務署への届出作成があります。また、受託者の業務とは言えないのですが、家族信託に関する新たな判例や税務通達等をモニタリングしておく必要があります。これは、家族信託が新たな仕組みであることから、契約書内容の「正解」が、契約締結時点とそれから5年後、10年後では異なってくる可能性があるためです。端的には、契約書のメンテナンス作業が必要ということです。
これらの業務・作業は、法律の専門家ではない個人の方が行っていくのは大変で、家族信託の適切かつ安全な運用をしていくには、専門家による支援が必要になるでしょう。
こうした背景を理解し、信託終了まで責任をもって対応することを考えると、司法書士側としては、事後支援サービスを構築することとなります。事後支援サービスを構築しているということは、ある程度の家族信託への理解があると捉えられる根拠にもなりますので、WEBサイト上で、事後支援サービスを提供しているかの確認をしてみましょう。
なお、事後支援サービスは、いつでもご相談頂けますといったものでは意味がなく、司法書士側に一定の責任を持たせる必要があります。具体的には、信託監督人の対応が挙げられます。

地域密着

最後に、司法書士の事務所の場所がどこかです。
ご自身がお住まいの最低行政区画単位のエリアで、司法書士を探されることをお勧めします。事後の支援を含むと、かなり長期的な付き合いとなりますので、物理的な距離が近い方が都合良いためです。
なお、ZOOM等オンラインでのコミュニケーションで十分という方(委託者様含め)であれば、物理的な距離は気にせずに選択しても良いかと思います。