土地相続とは?司法書士がわかりやすく簡単に解説!
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土地相続が発生したら
相続する財産の中に土地があった場合、どのように対処したらよいのでしょうか。
土地相続が発生した場合の、主な流れを見てみましょう。
相続する“土地”を明らかにする
故人が遺した不動産を全て明らかにします。「この土地しか遺していないだろう」と思っていても、調べていくうちに意外な不動産が出てくるケースも珍しくありません。もし、相続の手続きが終わってしまった後に故人が所有していた不動産が見つかると、相続税の修正申告をする必要が出てきます。そうすると、遺産分割協議を再度開いたり、申告後であれば延滞税が発生したりと、よいことはほとんどありません。
故人が所有していた全ての不動産を把握するには、
・遺言書に記載されている不動産情報
・名寄帳に記載されている課税対象の不動産
・固定資産税通知書などの郵便物
・登記簿事項証明書に記載されている不動産情報
などを調べるとよいでしょう。
“土地”の分割方法を決める
故人が所有していた土地を確認したら、相続人で土地の分割方法を決めます。
土地の分割方法は、以下の4種類です。
・代償分割:現物を相続する代償として、現物に相当する現金などを他の相続人に渡す方法
・現物分割:相続財産を現物で分割する方法
・換価分割:土地などの現物を売却して現金化しそれを分割する方法
・共有分割:土地などの現物を複数の相続人で相続する方法。現物の所有者は共有名義になる
相続税を計算する
土地の分割が決まったら、土地を含めた全ての財産にかかる相続税を計算します。
相続税が発生するかどうかを把握するには、以下の算式に数字を当てはめると計算できます。
課税価格の合計-基礎控除額(3,000万円-600万円×相続人数)=課税遺産総額
例えば、5,000万円の遺産を4人の相続人で相続する場合は、相続税は発生しません。
5,000万円-(3,000万円-600万円×4人)=-400万円
けれども、課税遺産総額が基礎控除額を上回る場合は相続税が発生し、各相続人が支払う相続税額を算出する必要があります。例えば、課税価格の合計が1億円で、それを4人の相続人で相続する場合の課税遺産総額は、4,600万円です。
1億円-(3,000万円-600万円×4人)=4,600万円
上記の例では、4,600万円に対して相続税がかかります。
以下の記事に事例を用いた相続税の計算方法を解説しています。相続税の計算方法について詳しくは、こちらをご参考ください。
⇒『自分の相続税の税率はどれくらい?計算式と流れを解説!』
“土地”を相続したら、相続登記を忘れずに!
土地や建物などの不動産を相続したら、相続登記を忘れないようにしましょう。相続登記とは、法務局で保管されている登記簿に、その不動産の所有者を登録する制度のことです。相続登記は、2024年4月1日より義務化となり法的義務が生じます。義務化後は、登記期間が過ぎても手続きを済ませていないケースに対して、10万円以下のペナルティが科されますので注意が必要です。
相続登記のやり方については、こちらの記事をご参考ください。
⇒『相続登記に必要となる書類と用意の仕方』