家族信託のコーディネーターとは?他業種との比較と注意点

弁護士、司法書士、民事信託士、家族信託コーディネーター

弁護士とは

弁護士は、言わずと知れた、法律資格の最高峰の位置づけにある国家資格です。
現試験制度となってからは、従来担保されていた能力とは少々異なるベクトルの能力担保となった感はありますが、厳しい試験と研修制度によって、法律職としての基本能力が担保されていています。
また、職務規定と倫理規定が徹底されていて、これに反すると、懲戒処分により資格のはく奪もあり得ることから、信頼に足る存在と言えます。

司法書士とは

司法書士は、登記業務に精通した法律の専門職で、法律資格としては、弁護士に次ぐ難関資格です。母数を形成する人の能力値の差異はあるものの、合格率で言えば、弁護士よりも低く、3%前後と言われています。
厳しい試験と研修制度により、法律の専門職としての基本能力が担保され、また、職務規定と倫理規定が徹底されていて、これに反すると、懲戒処分により資格のはく奪もあり得ることから、信頼に足る存在と言えます。

家族信託コーディネーターとは

国家資格ではなく、一般社団法人家族信託普及協会が提供する民間資格です。所定の研修を修了することによって認定される資格です。
弁護士や司法書士といった国家資格を持っていなくても得られる資格のため、法律上、法律相談・契約書作成・登記の業務を行えません。その為、依頼者からの相談対応としては、一般的な家族信託の仕組みやその他法制度の説明に留まります。なお、研修のみで検定制度を設けていないので、家族信託についての能力の一定担保がされていないのが現状です。
民間資格というのは、これは資格ですと言えばできてしまうもので、「いつでも」、「誰でも」、「すぐにでも」作れるものです。相続診断士、終活コーディネーター、自分史活用アドバイザー等など、民間資格は数え切れないほど存在し、家族信託コーディネーターもその中の一つという位置づけになります。

民事信託士とは

こちらの資格も国家資格ではなく、一般社団法人民事信託推進センターが提供する民間資格です。ただし、この資格を得るための受検資格は、財産管理業務等が法律で認められている弁護士か司法書士に限られております。この点で、能力の一定担保が認められると言えるでしょう。さらに、所定の研修を修了した後、検定によって合否が決まり、さらに、3年に一度所定の研修を修了しなければ更新できないことから家族信託についての能力についても一定の担保がされていると言えます。
弁護士と司法書士の2職種に限定されている点が、同じ民間資格でも、他の資格とは一線を画すところと言えるでしょう。