相続登記の義務化とは?司法書士がわかりやすく簡単に解説!
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相続登記のやり方
相続登記の手続きは、以下のステップを踏みます。
①戸籍資料、評価証明書等必要書類の取得
②現時点の相続人全員による遺産分割協議書の確認
③登記申請書の作成
④申請書と必要書類を管轄法務局へ提出して登録免許税を納付
戸籍資料、評価証明書等必要書類の取得
登記申請書を除く相続登記で必ずと言ってよいほど必要な書類は、以下の戸籍資料と評価証明書等です。
書類名
入手先
登録事項証明書
管轄法務局の窓口またはオンライン
固定資産税評価証明書
不動産のある地域を管轄している市町村役場
故人が誕生してから死亡するまでに作成された戸籍謄本(除籍謄本・改製原戸籍を含む)
故人の本籍地または旧本籍地を管轄している市町村役場
故人の住民票除票
故人の最後の居住地を管轄している市町村役場
相続人の戸籍謄本
本籍地にある市町村役場
相続人の住民票
相続人の居住地にある市町村役場
この他に、遺産を分割した方法によって必要となる書類もあります。
・遺言書による相続:遺言書
・遺産分割による相続:遺産分割協議書、相続人の印鑑証明書
現時点の相続人全員による遺産分割協議書の確認
遺産分割協議書に有効期限はありません。けれども、2021年4月に民法が改正されると、「遺産分割協議書の有効期限は10年」ということが、ささやかれるようになりました。これは、民法改正によって10年を経過した特別受益(被相続人から生前に財産を贈与され利益を得ること)と寄与分(被相続人を無給で介護したなど特別な寄与をした人が一定額の財産を受けられる制度)の主張は無効となったことから来ているようです。相続登記に遺産分割協議書が必要になる場合は、現時点の相続人全員で作成された遺産分割協議書であるかどうかを確認しましょう。
登記申請書の作成
相続登記申請書の様式は、特に指定されていません。そのため自分で用紙を用意し、作成する必要があります。ただし、以下の情報を盛り込んだものが有効です。
・登記の目的(「所有権移転」など)
・被相続人が亡くなった日
・登記する理由(「相続」)
・添付情報(登記申請書の他に添付する書類)
・相続人の氏名と住所
法務局では、登記申請書の記載例を公開しています。詳しくはそちらを参考にしながら正確に情報を盛り込んでいきましょう。
・参照:『不動産登記の申請書様式について』(法務局)
申請書と必要書類を管轄法務局へ提出して登録免許税を納付
必要書類を準備したら、登記する不動産の地域を管轄している法務局の窓口で申請手続きをしましょう。登録免許税を納付する必要がある場合は、必要書類の提出と同時に納付します。なお、登録免許税は、以下の算式を用いて自分で計算する必要があります。
登録免許税:固定資産税評価額×0.4
昔の遺産分割協議書や印鑑証明書、戸籍資料でも可能。
①古い遺産分割協議書
遺産分割協議書が古くても、以下の条件さえそろっていれば受理される可能性は高いと言えます。
・相続人全員で遺産分割協議をし、その内容にそって作成されている
・相続人全員の実印が押印されている
・相続人全員の印鑑証明書がある
②古い印鑑証明書
印鑑証明書自体に有効期限はありません。よほど古いものでない限り、手続きには問題なく使えるでしょう。
ただし、
・印鑑証明について「確かに遺産分割協議に納得したうえで押印した」と、押印した人に確認がとれていること
・申請する日より3か月以内に取得したものであること
が前提です。
③古い戸籍
被相続人が亡くなった後に取得したものでかつ相続登記のみに使用するのであれば、古い戸籍(改製原戸籍など)でも問題はありません。