家族信託の実例~家族信託を考えるタイミング
親が75歳になったら専門家に相談
家族信託を考えるタイミング
インタビュアー:飯田真司(司法書士法人クラフトライフ/(株)グッドライフパートナーズ)
インタビュー日: 2024年10月3日
インタビュー対象:受託者 40代後半 仮称:盛岡さん(委託者様 お父様80代前半)
どんな事案だった?
独居で自己所有の一棟のアパートの一室に住む盛岡さんのお父様。収入は年金と賃料だが、年金は少なく、賃料収入に依存している。相続人は盛岡さんお一人のみ。
家族信託利用のきっかけ。~口約束で済ませない!親の財産管理
飯田:後見制度ではなく、家族信託を選択された理由を教えて下さい。
盛岡さん:父の健康状態は後見人が必要というほどではなかったのですが、所有しているアパートやお金を自分一人で管理し続けるのは段々と難しくなってきたので、そういった状態で私たちが代わりに管理をする方法として、家族信託を選びました。
飯田:将来的なアパートの建て替えや売却が目的だったわけではなく、まだ健康ではあるけれど、衰えてきたお父様の財産をどうやって管理していくかが出発点だったわけですね。
盛岡さん:父の生活費を管理するだけであれば、銀行の代理カードで事足りると思うんです。でもうちの場合は老朽化したアパートを所有していたので、その管理を口約束で済ませていると、後々困ってしまうんじゃないかと思いました。
飯田:過去にない台風が来ましたとか、そういうことがあるとちょっと怖いですよね。
盛岡さん:異常気象も年々増加していますし、今まで大丈夫だったことが今後はどうなってしまうか分かりません。もしも父が認知症や寝たきりになったとしたら、父名義のものはどう対処していいのかと私は困ってしまいますから。
親の希望を取り入れた、
自分たちに合った財産管理
飯田:家族信託契約から1年程が経ち、受託者会計業務については弊社のシステムを使っていただいていますが、実際にご利用いただいた感想はいかがでしょうか?
盛岡さん:システムを使って入力するだけなので、そんなに難しくもないですね。ただ、勘定科目で分からない事は多いので、それは都度質問して確認しています。
飯田:分かりやすくなるよう改善を重ねてはいるのですが、まだまだ分かりにくいですよね。会計部分以外での管理はどのような状況でしょうか。
盛岡さん:詐欺などに遭わないよう、まとまった金銭は私の方で預かっています。あとは賃料が毎月入ってくるので、月に一回、父に現金をお小遣いみたいな感じで渡しに行っています。
飯田:振込みではなく現金手渡しなのですね。
盛岡さん:お互いに月に一回ぐらいは会いたいと思っていますし、父はもう銀行口座の暗証番号を自信を持って覚えていられないので、現金で持ってきてほしいみたいです。
専門家に相談するタイミングはいつがいい?
飯田:今回は家族信託の契約に至ることができたわけですが、親が動いてくれずに悩んでいる方もいらっしゃいます。盛岡様は、お父様をどのように説得されましたか?
盛岡さん:父が入院して不安になっている時に話を持ちかけてみました。私が一人娘なので、嫌われたくないのかもしれないですね笑。
飯田:なるほど笑。「タイミング」が大事ということが言えそうですね。
盛岡さん:そうですね、そこがポイントかもしれません。
飯田:他のお客様からも、一次相続のタイミングでそのまま家族信託のご依頼をいただくことは多いですが、親御様が元気なうちに話し合っておかないと、それも叶わないことになってしまうのが怖いところですが。
盛岡さん:親本人が老後について考えているかとうかは個人差が大きいので、財産管理に関しては子世代の人が率先して動いた方が早く進むと思いますね。そしてネットで調べても自力では解決できないことが多いので、司法書士さんなどの専門家に相談した方が早いです。財産関係は法律も絡んできますし、一度相談してしまえば自分たちの状況に合った財産管理の方法を提示してくれます。
飯田:相談するタイミングはいつがいいと思いますか?
盛岡さん:75歳、いわゆる後期高齢者になる頃を目安に、家族で話し合って準備を始めた方がいいのかなと思いますね。自分の親の場合は、その頃に頭の回転など、色々と変化があったように思うので。
飯田:「親が75歳になったら、とりあえず専門家に相談。」といった感じですね。良いキャッチコピーができました!
担当者コメント

本事案は、収入源が賃貸収入に依存していることから、認知症や脳梗塞等による、賃貸経営の滞りは死活問題となります。こうしたリスクを予防する必要がありました。よくある典型的な信託のご利用ケースです。
こうした家族信託の必要性が分かりやすい事案であっても、親御さん世代はなかなか動かないことが多くあり、お子様世代で悩まれる方は多くいらっしゃいます。
盛岡さんのお話しにもありましたが、親に家族信託の説明をして、理解と了承を得た上で専門家に相談ではなく、まず専門家に相談してしまうというのが、最も良い方法ではないかと思います。財産管理や相続に精通した専門家に相談してみると、問題点と解決法を整理して説明してくれますので、「親が75歳を迎えたら、とりあえず相談」してみましょう。
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