相続放棄とは?司法書士がわかりやすく簡単に説明致します!

相続放棄の注意点

相続放棄の手続きにおいては、うっかりミスが取り返しのつかないことに発展するおそれがあります。些細なミスで相続放棄ができなくなったということを避けるためにも、以下の点に注意しましょう。

相続放棄が適切かの判断

相続放棄をする前に、必ず相続放棄することがベストなのかどうかを自問自答しましょう。1度相続放棄をしてしまうと、取り消すことができないからです。誤った判断を避けるには、故人が遺した財産を評価し、プラスとマイナスのバランスを見ることが大切です。もし、マイナスがプラスを大きく上回る場合は、相続放棄を検討するとよいでしょう。

相続財産に手を付けてはいけない

相続放棄を視野に入れているのなら、故人の遺産には絶対に手を付けないようにしましょう。手を付けた財産の内容によっては、相続放棄が認められないことがあるからです。被相続人が遺した遺品から貴金属など価値のあるものを持ち出した場合、遺産を相続する意志があるとみなされます。被相続人が晩年住んでいたアパートの解約や、滞納家賃の支払いをすることも、相続放棄を予定している場合は控えた方がよいでしょう。

法律上相続する意志があるとみなされた場合(単純承認)は、撤回できません。たとえ価値がないと考えられるものでも、単純承認と解釈されるおそれがあります。一切手を付けないことが賢明でしょう。

次順位相続人への連絡

相続放棄をした時に気になるのは、他の相続人に伝えるべきかどうかということではないでしょうか。次順位相続人への連絡は義務ではありませんが、次順位相続人との関係に影響を与える可能性がある点には留意しましょう。

例えばあなたが第1順位の相続人で、相続放棄をしたことによって相続の権利が第2順位に移行したとします。もし、遺産の中に借金や滞納した税金などがあると、債権者から第2順位の相続人に督促状が届くようになります。もし知らせていなければ、督促状を受け取った相続人は戸惑うでしょう。場合によっては「なぜ言わなかった」と、気分を害するかもしれません。

次順位相続人の熟考期間は、相続の権利が移行したのを知った日から3か月となるため、不利益なことはほとんど生じないと考えられます。次順位相続人とはあまり面識がなく、疎遠に近い状態であれば伝えなくてもよいですが、近い関係である場合は相続放棄したことを伝えるのが賢明でしょう。

相続放棄後の財産管理

相続放棄をしたら、一切の財産と無関係になると考えるかもしれません。しかし、相続放棄した人には、財産を管理する義務が残っています。

民法940条1項
“相続の放棄をした者は、その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは、相続人又は第九百五十二条第一項の相続財産の清算人に対して当該財産を引き渡すまでの間、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産を保存しなければならない。”
・引用:e-gov法令検索

わかりやすく言いますと、財産を管理する人がいなければ、たとえ相続放棄をしたとしても、その相続人は相続財産管理人が選ばれるまで財産を管理する義務を負うということです。財産を管理する義務については、義務の範囲をめぐり議論の余地はあるのですが、遺産を放棄したからと言って全責任から解放されたわけではないという点には留意しましょう。

司法書士 飯田 真司

<strong>飯田 真司</strong>

世田谷区 家族信託・相続の窓口の司法書士飯田真司と申します。大学在学中はお笑い芸人を目指していたものの、挫折し、司法書士の道へと方向転換致しました。司法書士として頑張りつつも、たまに漫才イベントを企画しています。

専門分野・得意分野
家族信託、税務、財産活
資格
  • 司法書士(法人登録番号:11-00552、登録番号:6918)
  • 簡裁代理(認定番号:1401068)
所属団体名
東京司法書士会
所属事務所
司法書士法人クラフトライフ
所属事務所の所在地
東京都世田谷区用賀4丁目28番21号

活動実績・専門分野

財産の管理・承継に関するリスクマネジメントとその手続きを専門分野とする。司法書士の専門である法務だけでなく、税務、財産活用等多角的な視点による提案力が強み。大手保険代理店、医療法人、社会福祉協議会等、セミナーや勉強会実績多数。

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