相続放棄とは?司法書士がわかりやすく簡単に説明致します!

相続放棄の手続きをわかりやすく解説!

相続放棄をするには、必要な書類をそろえて家庭裁判所に提出する必要があります。
役所における手続きでは、記入漏れや書類の不足などによって受理してもらえないことも多々ありますが、手続きの手順や必要書類の書き方を事前に確認しておくことでミスを減らせるでしょう。手続きについて簡単に理解できるように、時系列で解説します。

相続放棄手続きの流れ

相続放棄の手続きは、以下のような手順で進められます。
①相続放棄に必要な書類を準備する
②相続放棄に必要な費用を準備する
③家庭裁判所に書類を提出する
④照会書が届いた場合は返信する
⑤相続放棄申述受理書を受け取る(相続放棄が認められた場合)

準備に必要なのは、提出が求められている書類と手続きに必要な費用。必要書類に記入をして家庭裁判所に提出し、あとは結果を待つだけです。
次の章から、各項目について詳しく解説します。

①相続放棄に必要な書類を準備する

相続放棄に必要な書類には、必須のものと被相続人との続柄別に準備するものとの2種類があります。
以下、必須書類と続柄別必要書類に分けた一覧です。なお、戸籍、原戸籍、除籍を分けずに、「戸籍等」と表記しています。また、「戸籍等」は、いずれも、抄本ではなく、謄本とお考え下さい。抄本で問題ないものもあるのですが、より簡単にするためです。
◯必須書類【共通】
書類名
入手先

1.相続放棄申述書
各家庭裁判所またはこちらよりダウンロード可

2.故人の住民票除票(又は戸籍附票)
故人の最終居住地の市町村役場。戸籍附票は、本籍地のある市町村役場

3.申述人(放棄する方)の戸籍謄本
本籍地のある市町村役場

◯必要書類【続柄別】
相続放棄をする人の、
被相続人からみた続柄
書類名
入手先

妻又は夫
■被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
本籍地がある
市町村役場

子又はその代襲者(孫,ひ孫等)(第一順位相続人)
■被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
■申述人が代襲相続人(孫,ひ孫等)の場合,被代襲者(本来の相続人)の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

父母・祖父母等(直系尊属)(第二順位相続人)の場合(先順位相続人等から提出済みのものは添付不要)
■被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
■被相続人の子(及びその代襲者)で死亡している方がいらっしゃる場合,その子(及びその代襲者)の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
■被相続人の直系尊属に死亡している方(相続人より下の代の直系尊属に限る(例:相続人が祖母の場合,父母))がいらっしゃる場合,その直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

兄弟姉妹及びその代襲者(おいめい)(第三順位相続人)の場合(先順位相続人等から提出済みのものは添付不要)
■被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
■被相続人の子(及びその代襲者)で死亡している方がいらっしゃる場合,その子(及びその代襲者)の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
■被相続人の直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
■申述人が代襲相続人(おい,めい)の場合,被代襲者(本来の相続人)の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

②相続放棄に必要な費用を準備する

相続放棄において必ず発生する費用には、以下のものがあります。
・収入印紙代:800円
・戸籍謄本取得代:450円
・除籍、原戸籍謄本取得代:1通につき750円
・被相続人の住民票除票取得代:約300円
・郵便切手:82円5枚,10円5枚
必要とする戸籍謄本の数や、家庭裁判所が定めている郵便代などによって費用にはばらつきがありますが、4,000円前後を見ておくとよいでしょう。

③家庭裁判所に書類を提出する

相続放棄の手続きを行うのは、故人の最後の居住地を管轄している家庭裁判所です。
該当する家庭裁判所は、こちらで調べられます。

相続放棄の申立て方法は、各家庭裁判所の窓口または郵送のいずれかです。窓口で申請する場合は、手続き前に該当する家庭裁判所の開庁時間を確認しましょう。原則として申立人が書類を提出しますが、申立人が未成年の場合は、法定代理人が申立てを行います。

④照会書が届いた場合は返信する

書類を提出した後、裁判所から照会書が届くことがあります。これは、申立内容に関する質問状のことで、相続放棄をした経緯などを確認することが目的です。受け取った場合は期限までに回答・返信しましょう。

⑤相続放棄申述受理書を受け取る(相続放棄が認められた場合)

相続放棄が認められると、家庭裁判所から「相続放棄申述受理書」が届きます。放棄申述受理書を受け取るのは、申立てを行ってから2週間以内です(照会書が届いた場合は、もう少し時間がかかります)。

相続放棄申述受理書を受け取ったら相続放棄の手続きは終わりますが、「相続放棄申述受理証明書」の交付手続きをすることをおすすめします。相続申述受理証明書は、家庭裁判所から相続放棄を認められたことを証明する書類です。例えば、債権者から被相続人の借金を返済するように迫られた時に、証明書を提示することによって借金を返済する義務がないことを相手に証明できます。このように、何かあった時に役に立ちますので、取得しておくとよいでしょう。

司法書士 飯田 真司

<strong>飯田 真司</strong>

世田谷区 家族信託・相続の窓口の司法書士飯田真司と申します。大学在学中はお笑い芸人を目指していたものの、挫折し、司法書士の道へと方向転換致しました。司法書士として頑張りつつも、たまに漫才イベントを企画しています。

専門分野・得意分野
家族信託、税務、財産活
資格
  • 司法書士(法人登録番号:11-00552、登録番号:6918)
  • 簡裁代理(認定番号:1401068)
所属団体名
東京司法書士会
所属事務所
司法書士法人クラフトライフ
所属事務所の所在地
東京都世田谷区用賀4丁目28番21号

活動実績・専門分野

財産の管理・承継に関するリスクマネジメントとその手続きを専門分野とする。司法書士の専門である法務だけでなく、税務、財産活用等多角的な視点による提案力が強み。大手保険代理店、医療法人、社会福祉協議会等、セミナーや勉強会実績多数。

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