もっと早く知りたかった!家族信託を自分でやる際の注意点
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家族信託契約等実行段階の注意点
家族信託に関するスキームを構築したら、後はその通りに契約書を作成する等、実行していくのみとなりますが、実行前に確認・調整すべきことがございます。幾つかを注意点として挙げます。
金融機関への事前確認と信託契約書草案の調整
信託口座の開設や信託内融資を依頼する金融機関に対しては、事前に信託契約書の草案を提出し、チェックを受けて、必要に応じて修正する、調整作業を行う必要がございます。これは、金融機関ごとに、信託口座開設と信託内融資いずれも、独自のルールがあり、これに適合させなければ受け付けてもらえないためです。
なお、金融機関ごとに独自のルールがあるというのは、A銀行で問題がないとされた信託契約書がB信用金庫では問題ありとされることがあるという意味です。
現状、信託口座開設、信託内融資ともに、司法書士等専門家を介さなければ、手続きを受け付けない金融機関がほとんどで、家族信託を自分でやる場合には、これらの利用は出来ない可能性が高いことに注意が必要です。
住所や氏名の変更登記
不動産を信託財産に含む家族信託契約では、信託契約後に、遅滞なくその旨の登記手続きをしなければなりません。ただ、この登記手続きを行う上で、委託者の住所又は氏名が、登記申請時点(正確には、登記申請に添付する委託者の印鑑証明書上の住所又は氏名)と登記簿上で異なる場合には、前提として、変更や更正の登記手続き経なければ、信託に伴う登記手続きが受け付けられないため、注意が必要です。
後継受託者の了承
家族信託では、受託者が財産の管理等を行いますから、その存在が必要不可欠です。そのため、何らかの事情により、受託者が業務を継続することが出来ない状況となった場合の、予備の受託者を用意し、その人を後継受託者として信託契約書の中で指定しておくことが大切です。ただ、勝手に指定しても、就任してくれなければ意味がないため、予め本人の了承を取っておくことに注意しましょう。
なお、金融機関によっては、後継受託者の有無が信託口座開設・信託内融資チェックの要素となっていることもあり、この観点からも、後継受託者の指定は必要です。